毎週、スタッフの持ち回りでお届けする「編集後記」。
今週はJoより、「中国潮州名菓がソクチャン省から全国へ-バインピアとは」のお話です。
バインピア(Bánh Pía)というお菓子をご存じでしょうか。元々は中国の広東省東部にある潮州の名菓で、薄い幾層にも重なる生地の中に餡をいれた甘味のことです。ベトナムにはメコンデルタ地方に早くから移住した華人の人々によってもたらされました。今回はそのバインピアについてご紹介します。
バインピアで有名なのがメコンデルタ地方のソクチャン(Sóc Trăng)省です。そのなかでもソクチャン市の北にあるフータム村がその発祥地なのではないかと言われています。
それを確かめるために、フータム村に行ってきました。村に着くと関帝廟や天后廟、そして関帝廟内には富心学校という中国語学校があり、ここが華人の地だということを教えてくれます。村のメイン通り沿いには漢字が書かれている古い商店もありました。
昼食に寄った村のワンタン麺屋(上の写真のお店)の女性の方にこの村とバインピアについて伺ったところ、昔は各家庭でバインピアを手作りしていたそうです。彼女のおじいさんが作ってくれたバインピアは、現在のように工場で作られたものとは違って、皮が薄く幾層にも重なっていて焼くと香ばしくて、とてもおいしかったと、懐かしそうに語ってくれました。
以前は、村の狭いメイン通り沿いに小規模なバインピア工場があったそうですが、いまは、ほとんどが国道沿いに大規模な工場を建ててそちらへ移転してしまったそうです。その中でも最も規模が大きく全国的に知られているのが新華園(Tân Huệ Viên)です。
新華園はソクチャン市の入口にあたる国道沿いに巨大なバインピア販売店を構えています。そこにはテーマパークと見間違うほどのエントランスや広大な駐車場、巨大なバインピア売り場、巨大な食堂、そして敷地内にジェットコースターなどの施設も建設中でした。
この新華園は販売店をソクチャン省内に14か所、ホーチミン市内に32か所のほか、全国に65か所の販売代理店網を築いています。さらには、世界18か国・地域に販売代理店と、アメリカとカナダ国内の倉庫型スーパー「コストコ」150店舗以上に販売網を持つ一大バインピア企業となっています。
また、ソクチャン市郊外のミースエン(Mỹ Xuyên=美川)には100年以上の歴史を持つ大きな潮州会館がありました。会館の大きさといい、中につるされた数百個の提灯といい、潮州の名菓バインピアで有名な土地だけあって、この地における潮州人の存在の大きさを強く感じました。
(photo by Jo)
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今回は、ここまでです。
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